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株式より効果的なアート投資

アート投資は、欧米やアジアなど世界中で勢いがあり、株式より効果的な投資として日本でも注目され始めています。
金融緩和の影響で、投資関連のほとんどは堅調に推移しており、様々な業界で投資熱が高まっています。
アート投資も高額なものばかりではなく、若い世代が手頃な額のアートに投資する動きがあるのです。
また、アート投資には他の投資にはない、文化貢献という側面もあります。


今回は、株式より効果的なアート投資についてご紹介いたします。

株式投資とは

株式投資とは、株式を売買して得る売買差益と、継続保有で得る配当金を利益とする投資方法です。
投資方法は、短期投資と長期投資、順張りと逆張り、買いと空売りのように、複数の手法を使って取引をします。
例えば、順張りは株価が安い時に購入し、株価が買値を上回った時に売却して利益を得る方法です。
空売りは、高騰した株価が下落すると判断した時に売りを出し、値下がりした時点で買い戻して利益を得る方法です。


他にも、証券会社に現金や株式を預けて取引を行う、信用取引があります。
信用取引は担保の約3.3倍の取引が可能なため、現物取引に必要な金額と同額を担保すると、大きな利益を狙えます。
しかし、相場の予想が外れてしまい損失が出た場合も、約3.3倍になるので注意が必要です。

アート投資とは

アート投資とは、株や証券と同じように、美術作品に投資をすることです。
資産家がSotheby’sで高額なアートを落札したニュースは、多くの人が興味を抱きました。
これにより、アートを投資対象とする人が様々な世代で増加しています。


アートに投資する流れだけを見ると、非常に簡単で単純です。
まず、多くのアートから、自分の気に入ったアートを見つけて購入します。
そして、アートの価値が高騰するのを待ち、利益が出たら売却するだけです。
安く仕入れて高く売るというのが、アート投資の基本と言えます。
しかし、単純に好きなアートに投資するだけで、評価が高騰するとは限りません。
これから伸びそうなアーティストを見つける実力、そして最高値を見極め、売却できることが大切です。

アート投資の特徴

アート投資の特徴は、投資対象として保有するほかに、投資が文化貢献につながることです。
投資の側面から見れば、応援していたアーティストが世の中に評価され、価値が高騰することは嬉しいことです。
また、アーティストと一緒に成功を喜べるのも、アート投資の醍醐味と言えます。


アート投資を通して、アーティストの成長を見守り応援するのも、文化貢献につながっているのです。
ただ、アーティストの思想やバックグラウンドを理解するのは難しい所があります。
しかし、アートを中心に様々な解釈を楽しむことができるのも、他の投資にはない感覚です。
持っていることで、喜びや刺激といった様々な発見が、アートにはあります。

アート投資は、アーティストを応援し、金銭的な利益だけではなく、豊かな感情を芸術から得られるという特徴があります。

株式より効果的な利回り

アート投資は、長期的な投資として株式より効果的な利回りで、安定している資産になりやすいと言われています。
初めは数万円で購入したアート作品が、100倍以上になる可能性もあります。


アート投資が増加する背景には、金融緩和が影響しているのです。
アジアでもアート投資の注目は高まり、世界有数のアートフェアである「アート・バーゼル」では、最大級の規模であるマイアミ・ビーチでの売上を、香港が上回りました。
この状況を受け、アジアには世界でも大きなギャラリーが集まり、香港は世界の市場を広げています。
マーケットの拡大により、S&P500以上の利回りを超えたアート作品も多いのです。
また、Sotheby’sやChristie’sをはじめ、インターネットからアートを購入できるようになったことも、投資を後押ししています。

アート投資をするコツとは

アート投資では、好きな雰囲気のアートを選択するのも良いですが、何も知らずに投資するのはベストな選択とは言えません。
ここでは、可能性に導くコツをご紹介します。

アートの歴史や流れを知る

現代アートは作品の歴史が新しいため、アーティストの歴史や流れ、コンセプトを知ることがポイントになります。
どのようにこのアートが生まれたのか、という意味や感覚を見出し共感しましょう。
非常に難しく、分かりにくいことだと思いますが、実はそれは良い感覚です。
その感覚を持って、アートの流れを学びながら、ギャラリーなどでアーティストと話します。
多くのアートを鑑賞して、人の感覚を教えてもらうことが大切なのです。


アート投資は、直感や一目惚れに頼ることも大切と言われますが、投資という意味においてはベストではありません。
闇雲に感覚に頼って失敗するほど、無駄なことはありません。
様々なアートと接して、何度も深く観察して学んで失敗を繰り返すことで、少しずつ磨かれるでしょう。

様々な社会問題を知る

現代アートでは、アーティストが抱える背景や、様々な社会問題を知る必要があります。
アーティストによっては、紛争に巻き込まれルーツが奪われるなど、様々な社会問題を作品の中で表現することがあります。
このように、想像を超える作品についても、その意図を理解しなければなりません。
分かりにくいことも良いことだというだけでは、アートを理解するのはとても難しいからです。
また、その答えは1つではありません。


アートは美しさだけではなく、多くの鑑賞者にアーティストが抱える背景に目を向けさせ、心に何かを残すことがあるのです。

他ジャンルとの融合と手法を知る

現代アートは、1つの素材に捉われずに他ジャンルとの融合や、あらゆる手法が使われることも大きな特徴です。
有名なマルセル・デュシャンの「泉」は、既製品を作品に使用した新しい手法です。
彼のように既製品を作品にした手法は、レディメイドと呼ばれており、様々な作品が存在します。
これは、オリジナリティに通じており、その後のジェフ・クーンズの掃除機を使用した作品も注目を集めました。


投資対象として現代アートを見るコツは、新しい視点や、それらを生み出すための技術までもが、鑑賞のポイントになるという点です。

まとめ

株式より効果的なアート投資について、投資の特徴やコツをご紹介しました。
長期的な投資で言えば、アート投資は株より効果的と言えます。
そして、アート投資を通じてアーティストに貢献できることも、これから非常に大切なことです。
今後も、アート市場は堅調に伸びる気配があります。


アートの選択は難しいですが、投資も兼ねて教養も得られると考えれば、保有するだけでも有利といえます。