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知らない方がおかしい?海外は子供の頃から投資について学ぶ理由

海外では、子供の頃から家庭や学校で投資について学びます。
投資の授業がカリキュラムに含まれ、教育法で制定されているのです。
日本の子供は、お年玉などを貯金しますが、海外では幼少期から投資する例も珍しくありません。
また、将来の資産形成は自分で行うという海外の考え方も、日本とは大きく異なる点です。
今回は、彼らが子供の頃から投資について学ぶ理由を覗いてみましょう。

海外の金融教育とは

海外の金融教育では、どのような内容の教育が行われているのでしょうか。
国によっても異なりますが、ほとんどが基礎から教育しているのです。

イギリス

イギリスでは、全ての年代で金融ケイパビリティの教育が行われています。
体験型の学習方法も取り入れ、貨幣の概念やお金の管理方法、資産運用の基礎について、発育段階に合わせて学びます。
5歳の小学校低学年から16歳の高校生まで教育が行われており、教師に対する支援も地域のNPOが行っているのです。
例えば、クレジットと借金に関する意味と利子率、支出の予算計画や管理、期間ごとのお金に関する責務の違いなど、その内容は多岐にわたります。
実用的な内容は、日本の大人でも難しい内容です。
イギリスでは、金融の基礎知識から自分の生活と将来のために必要なお金や社会構造について、具体的な考えを導くなど、幅広い範囲で教育が行われます。

アメリカ

アメリカでは、州によって教育は異なりますが、子供に金融教育を行うことが一般的です。
幼稚園から高校生まで、レベルに合わせた教育環境が整備されています。
非営利団体などの専門家や起業家が講師になり、個人のお金の計画や管理を中心に、様々なシーンで応用できる知識を学びます。
また、金融教育のICT化も進んでおり、オンラインゲームで金融リテラシー教育ができる無料教材も数多くあるのです。
例えば、金融に関するクイズや株式ゲームのほか、資産運用の商品や仕組みなど、実社会に必要な知識や行動を学ぶことができます。
また、保護者は子供用デビットカードを持たせ、計画的なお金の使い方を身につけてさせているのです。

カナダ

カナダの中学校は、選択科目が大学の授業のように多いことが特徴です。
授業の内容は幅広く、お金に関する授業もその1つとしてあります。
例えば、銀行口座の種類や開設方法、定期預金の利子やお金の運用方法など、実用的な授業が行われているのです。
また、産業界・金融教育組織や学界の専門家によって、金融リテラシー国家戦略を策定しています。
お金と負債の管理、将来の計画や蓄財、詐欺や金融虐待のリスクなど、3つのビジョンがあります。
カナダ人の金融リテラシーを強化するため、国家戦略に基づき、企業や行政などが活動の協働やコーディネートを行っているのです。
また、毎月11月に金融リテラシー月間を開催し、その重要性や認識を高めるイベントなどを行っています。

ニュージーランド

ニュージーランドでは、小学校の低学年から貯蓄をしながら、お金について学んでいます。
小学校低学年とは5歳や6歳の子供達で、実際に銀行口座を持って預金を管理する自由参加のプログラムです。
このプログラムは、預金をすると毎月取引明細が届き、どのように利子がついて増えているのか自分で確認できます。
しかも、お金を預ける際は銀行に行くのではなく、学校の専用ボックスに入れるため、自分で管理するという気持ちも高まります。
また、ニュージーランドでは、金融リテラシー向上のために、政府と様々な組織が学習の機会を提供しているのです。
例えば、老後に向けた貯蓄、公的老後貯蓄制度の把握、債務管理、住宅ローンや保険、投資などがあります。

アメリカでは小学生がビジネス!

投資大国のアメリカでは、家庭内で子供が幼いころからお金の話をします。
アメリカではお金は預けるものではなく、自分で運用するものという認識があり、早い段階でお金の仕組みや知識を事あるごとに教えています。
中でも、アメリカの子供達にとって夏の定番、レモネードスタンドは有名です。
レモネードスタンドは、子供がお小遣いで材料を購入してレモネードを作り、1杯あたりの値段を決めて道行く人に販売するものです。
子供は看板づくりや値段の交渉、販売方法を検討し、お金が循環する過程を学びます。
アメリカでは、幼いころからお金に親しむことで金銭的自立を促しており、少額の株取引を始めるケースもあります。
また、小学校の授業ではクレジットカードや株取引を取り上げることで、様々な実践を含め理解を深めているのです。

日本の金融教育の現状

日本では長らく、子供に対してお金の話をすることが避けられる傾向にありました。
ですが、ついに文部科学省が2022年度から高校の授業に、資産形成の内容を導入することを決めました。
金融庁の職員が学校に派遣され授業を行うなど、教員を全面的にサポートします。
資産形成の具体的な内容は、株式や投資信託などの金融サービスに関する内容です。
仮想通貨や金融商品のリスクやリターンなど、生活する上で知っておくべき項目と言えます。
これまでの無駄遣いしない、だまされないと言った消費者目線の偏った内容ではなく、今後は将来に備える資産形成も学びます。
現役の教員が学生の頃は、詳しい金融教育などありませんでした。
その対策として、学校教員を対象にイベントを行い、自身の資産形成を通して理解を深める取り組みをしています。

日銀の金融教育の取り組み

日銀は、金融教育の取り組みとして金融庁と連携し、大学で金融リテラシー講座を開講しています。
他にも、お金にまつわる豆知識やゲームなどをサイトで紹介しています。
例えば、お金についてどのような機能があるのか、お札の流通経路、日銀や銀行の役割といった内容です。
さらに、ネット上で日銀の建物を巡ることや、お札の数え方、お小遣い帳の付け方、日本銀行券の偽造防止技術などを学ぶことができます。
景気やインフレ、金融政策などのお金に関する様々な知識が得られるのです。
日銀や金融広報中央委員会は、就学別にお金に関する資料や、学習用の教材、お金の貯め方など、あらゆる情報を揃えています。

まとめ

海外では一般的とされる、子供に対する金融教育についてご紹介しました。
多くの日本人は、幼いころから子供にお金の話は不要と考えるかも知れません。
しかし、金融広報中央委員会の調査では高い金融知識があれば、お金のトラブルを回避しやすいと言われています。
お金のトラブルも含め、適切な知識と判断力を養うには、基礎から学ぶことが重要です。