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バランス型投資信託ってなに?

バランス型投資信託とは、資産を偏らせずに複数の資産や市場にバランスよく投資する投資信託です。
例えば、株式、債券、国内と海外といった、種類や地域を組み合せて運用する方法など、様々な種類があるのです。
バランス型投資信託は、分散型のためリスクを抑えられ、資産運用の選択に迷った時に選択肢の1つになる商品と言えます。


今回は、バランス型投資信託とは、どのような仕組みなのか確認してみましょう。

バランス型投資信託とは

バランス型投資信託とは、複数の投資対象を1つの投資信託にまとめて運用する商品です。
投資対象は、株式・債券・不動産・コモディティなどがあり、地域なら国内と国外に分けることができます。
この投資信託では、複数の投資対象を組み合わせますが、株式の組み入れ割合で、その商品性は大きく変わるのです。
例えば、価格変動では、株式の割合を高くすると価格変動のふれ幅は大きく、逆に株式の割合を低くすると小さくなります。
他にも、投資信託の名称に記載している数字が、組み入れ割合を表すことがあるのです。
記載の数字が大きい場合は、価格変動の幅も大きくなります。
また数字以外にも、安定型・安定成長型・成長型と記載されている商品もあります。
バランス型投資信託は、異なる特性を色々な形で組み合わせ、分散投資することでリスクを抑えているのです。

バランス型投資信託の買付方法

バランス型投資信託には、2種類の買付方法があります。
1つはファミリーファンドで、ベビーファンドと呼ばれる複数の投資信託の資金を、マザーファンドとなる投資信託に投資し、マザーファンドで株式や債券などに分散投資をして運用する方法です。
投資家はベビーファンドを購入し、ベビーファンドがマザーファンドに投資をするという仕組みです。
複数のベビーファンドが、投資割合に応じて複数のマザーファンドに投資するため、高い運用効率が期待できます。


2つ目はファンドオブファンズで、投資信託が別の投資信託を複数選んで投資する方法です。
対象になる複数の投資信託に、分散投資をしているファンドを集めるため、さらに分散効果を高められます。
投資対象を投資信託にすることで、さらにリスクを抑える効果が期待できるでしょう。

バランス型投資信託のメリットとデメリット

これまで、バランス型投資信託についてご紹介しました。
ここではメリットとデメリットを確認してみましょう。

メリット

バランス型投資信託のメリットは、リスク分散・リバランス・節税の3つです。
ポートフォリオの考え方で言えば、資産を分散することでリスクを減らすことが可能です。
資産の分散は、どれかが値下がりをしても、他の資産が下がらなければ、ファンドの価値が大きく値下がりする可能性は低くなります。
また、バランス型投資信託は定期的にリバランスを行っているのです。
例えば、世界の株式と債券に50%ずつの投資ファンドがあった場合、株価が上昇する局面では株式の比率が増え債権の比率が減ります。
崩れたポートフォリオを元の決められた割合にキープするため、値上がりした株式を売って債権を買い増します。
リバランスは自分で行う場合、利益に税金がかかりますが、バランス型投資信託は組み入れ資産の入れ替えに課税はされません。

デメリット

バランス型投資信託のデメリットは、資産配分の変更不可・手数料が高い・変動要因の把握がしづらい点があります。
あらかじめ決めた資産配分をキープするため、契約途中で変更などはできません。
また、運用はプロに任せていますが、株の価格が上がる前に株式を増やすことはできません。
他にも、買付を行うファンドに投資するため、手数料が高くなりがちという点があります。
バランス型投資信託は、投資対象や地域が多様で、性質が異なる複数の資産が混ざっています。
そのため、中身を把握していない状態で、漠然と投資を続けてしまうことがあるのです。
しかも、マイナス時にその要因が分からないことがあります。

バランス型投資信託の注意点

バランス型投資信託は、いくつかの種類があるため、リスク回避などのメリットや、デメリットもありました。
最後に、始める時の注意点を確認しておきましょう。

目的・期限・金額を明確にする

運用する時は、10年以内に使う予定資金、不測の事態に備える資金や現在より増やしたい資金など、いつまでにいくら貯めたいのか明確にします。
それらが明確になれば、具体的に選ぶべき商品が見えてくるのです。
例えば、Aさんが自分の老後生活費と介護費を用意するため、65歳まで働き25年分の費用を4500万円貯めたいという目的を定めます。
その場合、65歳までのリスクの捉え方や、65歳以上の安定的な資金確保を意識した上で、資産を分けるということがポイントになるのです。

リスクの捉え方

投資信託は、比較的リスクが低い商品ですが、投資リスクが絶対にないとは言えません。
そこで、自分のリスク許容度がどの程度なのか確認しておくことも大切です。
リスク許容度とは、リスクのある投資で、どれくらいのリスクを許容できるのかその度合いのことです。
購入した商品が、どの程度下落しても保有を継続できるか、経済的、精神的に耐えられるかを、一度考えてみましょう。
運用の目的からシミュレーションし、リスクの許容範囲を考慮すると、最適な選択と運用ができるのです。

目的に向けたプランニング

バランス型投資信託は、目的に向けたプランニングをする必要があります。
先程のAさんは、老後資金を貯める目的があるので、企業型DCやNISAなどの優遇制度を活用して運用すると効率的です。
例えば、運用商品の預け替えがリアルタイムでできない企業型DCを、バランス型ファンドにして積み立てます。
そして、売却が比較的容易なNISAを株式中心のバランス型ファンドにして、別途NISAで積立てを増やすことで効率的な運用が可能です。
目的やリスクを理解してプランニングできたら、マーケット情報を把握し、環境が悪化した際に対応できる態勢を整えましょう。

まとめ

バランス型投資信託について、商品の内容やメリット、デメリットをご紹介しました。
この商品は、性質が異なる複数の資産に分けることで、リスクを抑えて効率良く資産の運用ができるのです。
そのため、商品に迷ったら選択肢の1つに入れても良いでしょう。
しかし、投資にはリスクがつきものなので、デメリットもよく理解して、管理することが必要です。
さらに、経済や市況に影響されるため、マーケット情報をしっかりと確認しておきましょう。