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今更聞けない!ファンドマネージャーってなに?

ファンドマネージャーは、資産運用において重要な役割を持っています。
資産運用でなじみの深い投資信託は、ファンドマネージャーが運用を行っているのです。
彼らの多くは金融機関などの販売会社や投資信託会社に所属して、アナリストなど他の専門家とチームを組み業務を行います。
また、幅広い情報に通じる必要があり、資質と能力が問われる仕事ですが、様々な可能性を秘めており需要が高まっている職業です。


今回は、ファンドマネージャーについてご紹介します。

ファンドマネージャーとは

ファンドマネージャーとは、ファンド(金融資産)のマネージャー(管理者)のことです。
例えば、投資信託会社は投資家から預かった資金で投資を行い運用します。
その運用を行っているのが、ファンドマネージャーです。
預かった莫大なお金を元手に、どのような企業の株や、どの国の国債を売買するか判断し、成果を上げているのです。
その際に重要な仕事の1つが情報収集で、企業の将来性など深く切り込んで、成長性を分析しなければなりません。
時には投資対象企業に赴き、業界に人脈を築くなどして情報収集に役立てています。
ファンドマネージャーは、日々の様々な影響を自身の情報処理能力と判断力で成果につなげているのです。

ファンドマネージャーの役割

ファンドマネージャーは、個別銘柄の投資判断を行い、ポートフォリオの管理・運用をしています。
それぞれのファンドは、目論見書に記載された一定のルールに基づいて運用を行っているのです。
投資対象になる有価証券は、国内外の株式・債券・REITなどがあり、複数の資産を組合せたものもあります。
そして、アナリストやディーラーなどのスタッフと連携し、マーケットの状況や市場調査などから、売買の判断を行っているのです。
その際、重要とされるのは、資産をどのように組み合わせるかと言うことです。
ファンドマネージャーは、各種対象資産の特性を活かした比率構成を行い、リスクを抑え安定したリターンを獲得することが要求されます。

資産配分の重要性

ポートフォリオのリターンの9割以上は、資産配分で決まると言われています。
銘柄の選択や売買のタイミングも重要ですが、実は資産配分の仕方で運用のパフォーマンスが決まります。
ファンドマネージャーは投資対象になる資産ごとに、海外の市場動向や各資産の分析、情報交換をして日々議論を行っているのです。
そして、株式と債券のどちらに重点配分するのか決め、値動きが逆に動く傾向のある資産や、連動しにくい資産の組み合わせを構築します。
また、全体の値動きを安定させるために有効な配分を行うなど、リスクを意識しながら管理しているのです。

証券アナリストとトレーダーとの違い

金融市場には、証券アナリストやトレーダーなどの専門家がいます。
それぞれの違いや役割について確認してみましょう。

証券アナリストとは

証券会社や投資銀行などに所属する証券アナリストは、対象企業の調査情報をレポートなどにまとめ、顧客などの外部に向けて情報提供します。
資産運用会社などに所属するアナリストは、調査情報を社内でのみ共有し、資産運用の成果向上に活用されます。
また、前者をセルサイドアナリスト、後者をバイサイドアナリストと言い、他にも様々なアナリストが存在しているのです。
ファンドマネージャーは、基本的に自社アナリストの調査・分析結果を重視しつつ、セルサイドアナリストの情報も多面的な観点として運用に活かします。
アナリストは、日々、膨大な量の情報を調査・分析していますが、その中でも自由な発想を武器にして価値ある情報を見出すアナリストは重要な存在です。

トレーダーとは

トレーダーは、投資家やファンドマネージャーから取引注文を受け、株式や債券などの市場で実際に売買を行っています。
資産運用会社のトレーダーをバイサイドトレーダーと言い、証券会社のトレーダーをセルサイドトレーダーと言います。
トレーダーは株価や債券、為替の動向や世界情勢などを把握しており、適切なタイミングで売買を行っているのです。
また、バイサイドトレーダーは、大きな発注の場合、株価にインパクトを与えないように発注を行っています。
一方、セルサイドトレーダーも、1日の動きの中でバイサイド側からの発注を、VWAP(出来高加重平均株価)より有利に売買するようにしています。

ファンドマネージャーの働き方

常に多くの情報を分析しているファンドマネージャーは、様々なシーンで活躍しています。
ここでは、ファンドマネージャーの働き方をご紹介いたします。

投資信託委託会社

投資信託委託会社とは、投資信託を設定し、運用方針に基づいて運用する会社です。
投資家から資金を預かり運用を代行する会社で、「アセットマネジメント」や「投信投資顧問」などが社名にあります。
また、お金を運用する業務ですが、実際にお金を管理しているのは信託銀行です。
信託財産は、銀行の財産とは分別管理されているため、倒産の影響を受けることはありません。

保険会社

生命保険会社や損害保険会社では、加入者から保険料としてお金を預かって運用しています。
また、生命保険会社は信託銀行とともに、古くから企業年金に関わる業務があり、莫大な資産を保有しているのです。
そのため、ファンドマネージャーは、会社の利益を増やす運用ができる能力が求められます。

投資顧問会社

投資顧問会社は、投資に関する助言を行い、個人投資家の代わりに運用を行う会社です。
個人投資家に対し投資の手助けを行うため、顧客にとっては手間をかけずに高い運用益を期待できます。
投資顧問契約は、投資一任契約と投資助言契約の2種類があります。
投資一任契約を提供する投資顧問会社は、投資のアドバイスと金融商品の運用サポートも可能です。
しかし、投資助言業者の業務内容は、投資のアドバイスのみで運用代行はできません。

独立開業

多くのファンドマネージャーは会社員として企業に所属しますが、中には独立して会社を立ち上げる人もいます。
しかし、仕事の性質上、すぐに独立する選択肢は現実的ではありません。
前述の会社などで仕事の仕方を覚え、証券アナリスト試験に合格し独立につなげる人もいます。

まとめ

ファンドマネージャーの仕事内容や運用についてご紹介しました。
彼らは、日々世の中の莫大なお金を運用して、利益を生み出す努力をしています。
ファンドマネージャーは想像を超える情報量を駆使し、独創的かつ斬新なアイデアが必要とされるため、高額所得者が多いといえるでしょう。