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資産価値のあるものとは?

人の価値観はそれぞれ異なりますが、あなたにとって資産価値のあるものは、何でしょうか。
資産になるものは、希少性・耐久性・普遍性が求められます。
世の中にある資産価値は、実物資産と金融資産の2種類に分けられます。
多くの人が、資産は増やしたい、減らしたくないと思っているのではないでしょうか。
そして、常に価値になる何かを探し、見出しているのです。


今回は、様々な資産価値の種類と、メリット・デメリットをご紹介します。

実物資産と金融資産

形や価値がある実物資産や、形がない金融資産は、世の中にたくさんあります。
どちらの方が必要で、どちらを多くもつべきか、考えてみましょう。

実物資産とは

実物資産とは、実際に形がある資産のことを言います。
例えば、宝石や貴金属が分かりやすいでしょう。
形がある実物資産は、現物資産と言うこともあります。
例えば、紙幣の千円券は、額面1000円という、決められた金額分の価値があります。
しかし、紙幣や貨幣は、形をもつ資産ではありません。
形ある資産は、世代を超えても、変わらない価値を継承できる、数少ないものです。
世界中で愛されるものであれば、後の世代にとって、さらに貴重な資産になると言えます。
また、実物資産は一定の価値があるので、時間の経過と共に評価が高くなるものもあります。
株券のように、会社の倒産などで失うことはありません。
実物資産の多くは、長い間大切に守り、代々受け継がれているものです。

金融資産とは

実物の形がない金融資産、といっても言葉では分かりにくいでしょう。
例えば、紙幣や貨幣は、お金の機能、つまり決済手段の機能をもつ金融資産です。
お金は、政府や日本銀行といった特定の機関が資産価値を保証しているのです。
ただ、世代を超えて変わらない価値を維持するのは、難しいかもしれません。
例えば、額面1000円の紙幣のままであれば価値は変わりませんが、外貨預金や投資信託に変えると、その価値が増減します。
同じように、業績の良い会社の株も、何らかの理由で株価が暴落してしまうと、全てを失う可能性もあるのです。
そんな時、これらの資産は流動性が高いため、失う前に容易に換金できます。
しかし、資産価値を下げずに、また減らさずに後世に引き継ぐのは難しいと言えます。

実物資産の種類

実物資産は、形やそれ自体に価値を有する資産であるとご説明しました。

ここでは、具体的な種類をいくつかご紹介します。

貴金属

実物資産で身近にあって分かりやすい例は、金・銀・プラチナ・ダイヤモンドなどの貴金属系の資産です。
まさに実物のある資産で、また安全な資産として多くの人が保有しています。
特に、金は希少性、耐久性、普遍性という点で優れているため、人気が高い資産です。
また、金の資産価値は、世界的な危機が発生しても、価格が下落しにくいと想定されています。
しかし、プラチナは宝飾品のほか工業製品にも使用されるため、景気の動向に左右されやすく、リスクが高くなるのです。
希少性の高い宝石は、昔から代々受け継ぐ価値のある資産として購入されています。
そのため、貴金属の種類によっては、購入時より高い額で売却することが難しいケースがあります。

土地・建物

土地や建物の実物資産は、所有や活用次第で大きな収益や利益を得られます。
例えば、マンション、アパート、戸建て住宅、畑や山林などの土地や建物は、様々な利用価値があります。
土地や建物の不動産が他の資産と異なるのは、家賃収入を得られる点です。
貴金属や美術品などのコレクションは、所有と収益が結びつくことはありません。
ただ、不動産の所有は収入が発生するため、固定資産税などの税金を毎年支払う義務があります。
これも、金やプラチナにはない、不動産特有の必要な義務です。
土地や建物などの不動産は、そのまま保有するだけではなく、活用して形を変えることもできます。
そして、失うことがなければ、長期的に安定した収益を生み出す資産といえます。

コレクション

実物資産の中でもコレクション系は、アート、アンティークコイン、古美術、ワインなど、多岐に渡ります。
コレクションの要素が強いものは、希少性や状態が大きく影響するため、価値が不安定です。
例えば、メープルリーフ金貨は、地金の重さに相当する価値しかありません。
古代ギリシャ・ローマや、1600年代以降にヨーロッパでつくられたアンティークコインは、世界中で多くの人が求めています。
コレクションの中には、古美術やワイン、アートなど趣味で集めたものが、年月の経過と共に価値が付くものがあります。
名産品の陶器やビンテージワインの他、近年注目を集めているアートも、驚くような値が付いているかも知れません。

実物資産のメリットとデメリット

資産は様々な種類があり、それぞれメリットとデメリットがあります。
ここでは、いくつかの例をご紹介します。

実物資産のメリット

実物資産は、金融危機や景気変動の影響をあまり受けません。
総じて、金融資産より値が下がりにくい、失うことがないというメリットがあります。
例えば、金は経済危機に陥っても、どの国でも換金できる特性があります。
そのため、多くの人から高い信頼があり、価格が下落しないと考えられているのです。
また、インフレに強いため、株が暴落しても総合的に資産をカバーできる要素があります。
特に、不動産は物価の上昇にあわせて価値が上がると予想されます。
経済の影響は皆無ではありませんが、資産が全てなくならない限り、失うことはありません。

実物資産のデメリット

形をもつ実物資産だからこそ、様々な原因で資産価値や利益を失う可能性があるのです。
宝石やコレクション系は紛失や盗難、不動産は天災による倒壊や破損などが懸念されます。
そのため、多くの資産は、セキュリティーサービス、温湿度管理がある美術品専用倉庫などの費用がかかります。
不動産関系も、固定資産税やマンションやアパートの修繕費、維持管理費用が必要です。
また、流動性が低いので、換金する際は時間を要します。

まとめ

実物資産や金融資産について、種類やメリットなどをご紹介しました。
代々受け継がれていく価値がある資産は、後世に継承するため、安全に維持管理しなければなりません。
お金や株などの資産も、リスクを考え効率よく運用することで、次の世代に受け継ぐことが可能です。
資産価値を守るために、それぞれをバランスよく保有して補い合うことが大切でしょう。