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アメリカは高校生から積み立て投資を始めてる理由

アメリカは日本と違って公的年金がないため、老後に備える必要があります。
日本ではお金のことを子供に教えている家庭は少ないと思いますが、アメリカでは家庭や学校で幼いころから話し合っており、お金のことを正しく知り、将来自立したときに正しく判断するための教育をしているのです。


お金の本質を知り、効率よく資産形成をするために、さまざま教育のなかでアメリカの子供たちは、お金を投資することを学んでいます。


アメリカ人の投資目的とは

アメリカ人の投資目的は教育資金、そして圧倒的に多いのが老後資金で、若いころから積極的に運用をしています。
日本のような公的年金や退職金制度がアメリカにはないので、退職時にまとまった資金を受け取ることや、その後の年金がありません。


定年退職がない彼らはリタイア後の資金を投資で運用して老後資金を増やさねばならない、投資をやめる選択肢はないと考える人が多いのです。
投資は長期保有という考えがあり、老後までに必要になる資金を、複利効果を利用して投資で大きく増やしています。


アメリカでは民間企業に勤める会社員を対象にした401K(確定拠出年金)が、老後の生活の主要
な原資となりますが、それだけでは老後は暮らせないというのは日本と同じで、現役時代に老後のための資産を確保しなければなりません。
それぞれのポートフォリオをもち、長期的に分散投資をするという意識が浸透しており、資産構成の4割が投資信託、現金、預金は約1割となっています。


また、アメリカ人は投資の際に自分自身の考えとロボアドバイザーなどを活用し、アドバイスを受けながら資産形成をしています。
アメリカ人は老後のためにどれ位の期間と資金を用意するかを計画し、十分に貯めたらリタイアして、優雅な老後生活を送るという考え方が一般的なのです。


アメリカ人のお金の教育

アメリカでは子供が幼いころから株を所有していることも珍しいことではありません。
株を所有することで親がお金のことについて教育しているのです。
そして学校教育でお金の教育を受け、いろいろな経験を通して正しい知識を学んでいます。


では、具体的にアメリカの子供たちは、学校でどのようなことを学んでいるのでしょうか。


小学生からはじまる金融教育

アメリカでは小学生から学校で金融教育をしていますが、日本ではほとんどありません。
お金にはどのような役割があり、どのように稼ぎ、使うのか、そして増やすためにどうすれば良いのかなど、幼いころからお金に正しく向き合わせます。


金融教育ではクレジットカードやデビットカードの使いかた、国の政策や世界情勢などの変化が投資・原油・株価・為替などに影響することを学んでいるのです。


アメリカ人は学校で金融教育を学び、家庭では親がモノポリーなどのゲームを使って、さまざまなシーンで選択の重要性をアドバイスします。
アメリカの子供たちは家のお手伝いでもらうお小遣いを通して、働くことでお金を得ることやお金の大切さを理解し、そしてもっとお金が必要なとき、子供たちはレモネードスタントや、ベビーシッターなどでお小遣いを稼いでいるのです。


彼らは単にお小遣いを稼ぐだけではなく、犬を救うための基金に売上金を寄付するなど、目標をもってレモネードスタンドをすることがあります。
学校のカリキュラムの一環で寄付をすることもありますが、小児がんを患う同じ境遇の子供たちを救うためにはじまったアレックスレモネードスタンド基金は有名です。


中高生のパーソナルファイナンス教育

アメリカでは幼いころから自分の親や友達が投資をしていることが多いので、メリットやデメリットも周囲の大人から学びます。
そして、中高生になると小学生と比較してお金について学ぶ知識が幅広くなるのです。
中高生で学ぶパーソナルファイナンス教育は、社会に出たときに必要な知識やスキルを身につけることで、思わぬ失敗やトラブルを回避することにつながります。


パーソナルファイナンスを必須科目にしている学校では、クレジットカードの使いかたや契約書の読み方、投資、ローンの返済方法なども勉強しています。
それに加え、高校ではお金の知識や投資についての授業を通して、金融機関の目的や違い、金利商品や投資商品についての基礎知識を学んでいるのです。


日本ではお金を銀行に預けることを教えますが、アメリカでは新聞や資料をみて、投資のシミュレーションをしたり話し合ったりしていく中で、現金や預金のメリット・デメリット、株式運用のリスクについて自身の考えをもっているのです。
アメリカ人の金融教育は、世の中の仕組みを知り老後資金の必要性や、社会生活でトラブルを避ける術を教育している側面があるのだといえるでしょう。


アメリカ人の高い金融リテラシーと資産構成

アメリカ人は幼いころから家庭でお金についての教育や、株式を保有し投資で知識を身につけているため金融リテラシーが高いと言われています。
仕事は資産形成に重要ですが、アメリカと日本の労働者に対する保証体制は全く異なり、アメリカ人は投資で老後資産を増やす必要があるので、資産構成の割合は投資が多いのです。


アメリカ人にとって生活の一部であるチップは礼儀のひとつであり、寄付は特別なことではありません。
子供たちは日々の生活や金融に関する本、学校教育、投資マインドが身につくゲームなど、お金について学べるものが身近にあります。


アメリカでは子供のころに得た知識をもとに資産構成を自身で考えて、失敗と成功を繰り返し複利で得た利益を老後まで長期に保有しているのです。
長期にわたって投資で運用できる金融教育を幼いころからしているため、金融リテラシーが高くなるといえます。


まとめ

アメリカでは幼いころからお金について家庭で教育されているので、お金は身近なもので扱い方も理解しているのです。
貯蓄型で投資をほとんどしない日本と、投資で資産を増やすアメリカではお金に対する考え方が異なります。


そのため、アメリカでは高校生から積み立て投資を始めていることはよくあります。
日本でも子供たちが社会に出たときに正しい判断ができるように、幼いころからお金に関する基礎知識を学校で行う必要があるのではないでしょうか。