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積み立て投資の落とし穴

投資にもいろいろなものがあるのですが、その中でも積み立て投資というのは比較的堅実なものというイメージがあるのではないでしょうか?

確かに、積み立て投資というのはリスクが少なく、日本人の堅実な国民性に合っているのか人気があります。ただ、だからといって積み立て投資が万能というわけではありません。

ここでは、積み立て投資における落とし穴についてご紹介していきたいと思います。


短期間ではなかなか利益を得られない

積み立て投資ではその名前の通り、少しずつ投資資金を積み立てていくことになります。
投資による運用損益は投資額に比例するのですが、投資額が大きくなるのには時間がかかります。

そのため、積み立て投資を始めたばかりで投資額が小さいうちは運用がうまくい
っていたとしても利益は小さいものになってしまうのです。短期間でなかなか利益を得られないというのは、積み立て投資ならではのこういった仕組みによるのです。
ただ、積み立て投資では、長期間の積み立てを続けていくことによって複利効果が発揮されます。

複利効果というのは、投資で得られた利益を再投資することによって利益自体が
さらなる利益を生みだすという効果のことを指します。しかも、この複利効果は、積み立て積立投資のように投資期間が長ければ長いほど効果が大きくなると言われています。積み立て投資だからこそ、複利効果が期待できるわけです。


積み立て投資ではなかなか短期間で利益を得られないからと一括投資に切り替える方もいるのですが、一括投資になってくると短期間で大きな利益を得ることができる反面、その分、大きなリスクを背負うことにもなります。

短期間で利益を出そうとしてしまったがゆえに、大きく資産を減らしてしまうということもあるのです。一概にどちらがいいとは言えませんが、投資というのは基本的に一長一短なのです。


手数料がかかる

積み立て投資というと積み立てる金額だけが必要になると思われがちなのですが、実は結構いろいろな手数料が発生してきます。というのも、積み立て投資は投資のプロに運用を任せることになりますので、その分、いろいろな手数料が発生してくるのです。

積み立て投資で発生してくる手数料としては、「販売手数料」「運用手数料」「解約手数料」の3つが挙げられます。もちろん、それぞれの手数料はどこに依頼するのかによって異なってきます。


【販売手数料】

販売手数料は、積み立て商品を購入する際にかかる手数料のことを指します。積み立て投資の場合には、基本的に毎月自動で投資信託を購入することになりますので、その都度、この販売手数料がかかることになります。もちろん、販売手数料が無料となっているところもありますので、そういったところを選ぶとコストを抑えられます。ちなみに、販売手数料が無料の投資信託を「ノーロード投資信託」と呼ぶこともあります。


【運用手数料】

積み立て投資はプロに運用を任せるという話をしましたが、プロに運用を任せるからこそ発生してくるのがこの運用手数料です。保有しているファンドに対して、年率でだいたい多くて3%くらいですが、やはりこの運用手数料にもかなり差がありますので十分に比較検討をしておきましょう。

ちなみに、運用手数料は別途支払うという形ではなく、運用資金から差し引かれる形になります。


【解約手数料】

解約手数料は文字通り、各積立投信に決められた運用期間に満たないうちに積み立てた投資信託を換金した場合にかかる手数料のことを指します。「信託財産留保額」と呼ばれることもあります。

解約手数料は売却時の価格に対して多くて1%ぐらいになるのですが、解約手数料に関しても事前にしっかりと確認しておきましょう。ちなみに、解約手数料が無料の投資信託もあります。


売却益や分配金に税金がかかる

積み立て投資では多くの方が利益のことばかりを考えてしまいがちです。ただ、積み立て投資の売却で得た売却益や保有している口数から得られる分配金に対して税金がかかることを忘れてはいけません。

だいたい20%を税金でとられるのですが、具体的に言うと2020年の時点で20.315%の税金の支払いが求められます。20.315%の内訳は、所得税15%、復
興特別所得税0.315%、住民税5%となっています。
ただし、積み立て投資に限らず、投資をおこなう以上はどの投資であっても利益を得れば税金はかかります。

積み立て投資を含めた投資を始めるのであれば、税金関係についてきちんと理解をしておく必要があります。
しかし、資産を増やすために投資をおこなっているのに、税金でかなり持っていかれるというのは納得いかないという方も多いでしょう。そういった方にとってありがたいのが、2018年1月から始まった「つみたてNISA」という制度です。

毎年新規投資額40万円の非課税投資枠の範囲で、最長20年間800万円まで非課税の優遇を受けながら積み立て投資をすることができます。名前は知っているもののよく知らないという方は、これを機会に詳細を調べてみるといいでしょう。


元本が保証されない

積み立て投資というのは、銀行預金のように元本保証がなされていません。そのため、当初に購入した投資額を下回る元本割れになる可能性は常にあります。元本割れをとにかく避けたいのであれば、積み立て投資よりももっとリスクの少ない定期預金などに切り替えるしかないでしょう。

ただ、リスクが少なくなる分、リターンはあまり期待できなくなります。
一方で、積み立て投資は元本割れのリスクがある分、定期預金などと比べると大きなリターンが期待できるのです。

どちらが正解ということではないので、よく吟味して自分が納得できる方法を選択していくようにしましょう。