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投機と投資の違い

金融商品を調べていると投機や投資というワードをみつけることはないでしょうか。
簡単にいうなら、目的が売買益のみの短期的なものを投機、資産形成につながる長期的なものを投資と呼び、二つは考え方は異なるのです。
投機と投資は似ているようで全く違います。


その違いを知っておかなければ、資産は築けないと言っても過言ではないほどこの二つのワードの違いは重要です。
今回は資金の使い方や商品の種類、それぞれの違い、判断方法についてご紹介します。


投機とは

投機とは短期で取引が完了する傾向にある商品で、最終目的は売買益、利益のみです。
短期間に売買を完了させ売買益を得るために行う取引をさし、商品に対して価格が上昇することを前提に投機するため、損失のリスクは非常に高くなることが特徴です。


では、投機性が強い商品とはどのようなものなのでしょうか。


投機性が強い商品

投機性が強い商品として、不動産は分かりやすい商品といえます。
物件を購入すると、家賃収入として得る運用益と物件を売却することで得る売買益があります。
不動産投機は物件の価格が上昇することで受け取る差益(キャピタルゲイン)を目当てに、物件を購入することです。
ここで注意したいのは購入した物件の目的は売却益を得ることなので、運用益ではありません。


この方法は物件を買って価格が上がれば売ることを繰り返し、短期売買で利益を得るので不動産バブル時は日本中で行われていました。
一方で仮想通貨(ビットコイン)は、中央銀行や政府の裏付けがされず、債権とは異なり利益や配当などキャッシュフローが欠如していると指摘されているほどに手軽な商品です。


不動産のようにローンを組むほどの投資額ではないので、比較的若年層でも始められるという利点を持っています。
ちなみにこういった利点に対して米最大手銀行は、「投機の道具であり、明らかに通貨ではない」と批判しています。


また大手ヘッジファンド創業者も「きわめて投機的な市場におけるバブルであり、本源的な価値が見えない」として投資対象としないといっています。
仮想通貨を利用することを検討している場合は、上記のように手軽さゆえの反対意見があることもしっかり念頭に入れておきましょう。


投機に失敗する人

投機に失敗する人に共通していることとして、目先の相場の勢いで購入するため高値をつかみ、結果として長期保有せざるを得ない状況に陥ってしまうことが挙げられます。
投機では、価格が下がることを見越して株を手放し、再び買い戻すことで利益を得るショートポジション(空売り)が多いのも確かです。


投資会社にすすめられた、あるいは証券会社の推奨銘柄を買ったという人は、値が上がることを信じ目先の価格変動に運を任せているといえます。
多くの投資会社は最低投資額が高く、一度に大口の金額を預かることで高い利回りが実現できる反面ハードルやリスクが高いのです。


投機はゼロサムゲームとも呼ばれ、利益を得る人と損失を被る人の合計額の総和がゼロになるので、勝つか負けるかの世界で全員が勝つということはありません。
高値をつかんでしまったと自覚したら処分売りを決断することや、企業分析や将来性などを自分で予測しなければ損失は避けられません。


こういった状況判断は、常に市場の相場状況や世の中の情勢などを注視することで可能となってきます。
つまり投機で運用していきたい場合は、正しい知識と状況判断を身に着けておく必要があります。


投資とは

投資とは、長期的な視野において資産を増やすために行う手段です。
安全性や収益を得るために、市場の値動きや詳細な分析に基づいて投資商品を分散して買い、長期的に保有して資産を築きます。
対象が同じであっても投機とは考え方が異なりますので、商品の種類・特性を確認しましょう。


投資商品の種類

投資商品の種類は非常に多くありますが、まずは不動産投機と異なる点をご説明します。

不動産投資では運用益(インカムゲイン)を得るために、物件の立地や入居率、維持費や税金などのコストを収益と計算し、物件価格の妥当性を検討します。
投資では基本的に金融投資、設備投資、人材投資でも、目的や期間に応じて、投資対象の調査や分析を行うのです。


株式投資では有望と思った企業へ出資しますが、短期的に株価が上がることはありませんので、長期的に成長することを期待しながら配当を得るのです。
長期的に保有することを前提としている投資では、世界情勢や経済危機などで市場が大きく揺れ相場が下がったとしても、経済成長により市場は好転する、というようなどんでん返しは多くある現象です。


中でも投資信託や債券などは、長期保有と複利運用で資産を増加させることが可能になります。
つみたてNISAなどの非課税枠を利用することや、国債を安全資産とする考えもありますので、商品ごとの特徴をよく調べておきましょう。


投資に失敗する人

投資に失敗する人は十分な勉強や経験を積まずに、自身の感覚で売買を行ってしまうため、誤った判断でタイミングを逃していることが往々にしてあります。
投資はある程度の期間を要するため、長期保有の間に価格が下がると売りたくなり、売り急いだことで損をしている人が非常に多いのです。


実際に、株価が下がり売ったときが底値で再び上昇に転じるのはよくあることなので、正しい投資方法や投資の対象について学びましょう。
正しい知識を学ぶことでコツを掴めば経験値が上がるため、一時的な不安による単純な考えや行動を抑えることができるようになります。


投資信託では、専門家が運用してくれる安心感がありますので、様々な専門知識を教えてもらうことや、セミナーに参加することで流行や傾向に関する情報も得られます。
多くの投資商品に分散することは、商品自体の特性や利益を得られるタイミング、世の中と市場の仕組みを理解することにつながり、より投資がしやすくなるのでお勧めです。


また、投資はプラスサムゲームと呼ばれており、経済成長がある限り配当やリターンにより全員が勝者で利益を享受できるということも投機との大きな違いです。
資金に余裕があり長期的かつ安定的に利益を得たい場合には、投資が圧倒的に有利といえるでしょう。


まとめ

投機と投資の違いについて、商品などの実例を挙げながらご紹介しました。
公的年金に期待できない今、不動産投資や株式投資、FXや投資信託などを使って、老後資金につなげようと興味を持っている若い世代が増えています。


企業のチャートを同業他社のチャートと比べることや、収益率の違いはリアルタイムの情報がなければ不可能だといわれていますので、日々最新の情報を学び続けることが重要です。


また時には周りに流されず判断をくだす度胸や独自の判断基準も必要かもしれません。
投機や投資を検討されている際は、ぜひ今回の記事も参考にしていただければ幸いです。