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日本の銀行で投資を決めたらダメな理由

老後年金2000万円では全然足りない?と考えた時、近くの銀行へ投資相談に行こうと考える方も多いでしょう。
金融政策改革で業態間の相互参入が解禁され、銀行でも多くの商品を扱うようになりました。
しかし、銀行では投資信託・債券・外貨預金へ投資はできますが、株式は買えません。
また、銀行と証券会社は仕組みが異なり、銀行は間接金融、証券会社は直接金融としての役割があります。


今回は、金融機関の役割や日本の銀行で投資を決めたらダメな理由を見ていきましょう。

銀行と証券会社の違い

資金を循環させ調整する金融機関である銀行と証券会社には、大きな違いがあります。
ここでは、それぞれの特徴と違いをご紹介します。

銀行は間接金融

銀行は間接金融として、顧客から預かったお金を企業に貸出し、そのリスクを負う金融仲介の業務を行っています。
例えば、顧客は金融機関に預金しますが、預けたお金をどこに貸しているのか知りません。
また、企業は金融機関の与信審査に通ると資金調達でき、元金と利息は金融機関に支払います。
このように、お金を預金する顧客とお金を借用する企業は相対せず、それぞれ金融機関を介して取引します。
金融機関は、お金を貸した企業から利息をもらいますが、倒産して返済できない場合は、銀行が損失を負っているのです。

証券会社は直接金融

直接金融である証券会社の役割は、証券市場で顧客を円滑につなぎ、市場の健全な運用と発展に貢献することです。
また、証券市場は、発行市場と流通市場に分かれます。
発行市場では、市場で資金調達を行う企業の活動を、有価証券の発行を通じ的確で公平な条件に導く役割を果たします。
流通市場では、投資家に様々な情報提供と適切な助言を行い、迅速で正確な売買を成立させる役割があるのです。
また、投資に関する結果責任は投資家自身にあり、アドバイザーやサポートを行った金融機関は、責任を負いません。

間接金融から直接金融へシフト

大手企業を中心に、資金調達が間接金融から直接金融へシフトしています。
日本では、一般的に資金調達には間接金融である銀行が利用されますが、大手企業が大量の社債を発行して直接金融による調達を行うこともあります。
直接金融では、高い信用力がある企業は金融機関に頼らず、低コストで資金を得られるというのが最大の魅力です。
ただ、中小企業で株主がいない場合は、銀行から借りる方法しかありません。
しかし、間接金融から直接金融へシフトする中で、銀行と証券会社の双方で資金調達を行うなど、様々な提案が展開されています。
また、通信技術が進化し資金調達の選択肢が増えたことで、様々な取り組みが始まっています。
そのため、以前のように銀行から借りるというイメージが、変化しているのです。

自分のスタイルにあわせて選択

投資の相談や購入をする場合は、自分のスタイルに合わせて金融機関を選択しましょう。
ここでは、さまざまな投資スタイルをご紹介させていただきます。

総合相談なら銀行

自分の資産を総合的に相談する時、いつも利用している銀行なら資産状況に合った運用を提案してもらえるでしょう。
銀行でできる投資は、投資信託・債券・外貨預金のみなので、証券会社と比較すると少ないです。
また、株式は取り扱えないため、株式投資をするなら証券会社で口座を開設しましょう。
銀行の債券や外貨預金は、基本的に利息で増やす商品のため、本格的な投資は投資信託に限られます。
しかし、手数料が高めの設定で、さらに銀行側に都合が良い商品を勧められることが多くあります。
なぜなら、マイナス金利が導入され、銀行は融資業務などの収益獲得が減少しているのです。
そのため、投資商品などを販売して手数料を稼ぎ、収益を拡大しようとする事情があるのです。

積極投資なら証券会社

積極的に投資をするなら、証券会社に相談するのが得策でしょう。
証券会社は、商品の専門性が高く豊富な情報を保有しており、金融市場や投資環境についてのレポートを頻繁に提供しているのです。
投資信託も種類が豊富で、その他の金融商品も充実しており、様々な種類や地域から選べます。
また、証券会社は専任担当者がつくので、投資方法の相談や様々な商品を勧めてもらえます。
しかし、勧められた商品や手数料に納得できない場合もあるでしょう。
その場合は、手数料が安いネット証券なら、自由に選択することができます。
証券会社は様々な商品から、目的に合わせて選択できるため、高い利益を望めます。
しかし、元金の損失などを伴うリスクを事前に把握しておきましょう。

投資を決める前に行うこと

お金を扱う金融機関には、様々な違いや特徴がありました。
最後に、投資を決める前に行うことを確認しましょう。

運用目的・目標・数値を明確にする

資産運用を始める時は、運用目的・目標・数値を明確にしましょう。
運用目的として、住宅資金や教育資金、当面の生活費や老後資金など、何のために運用するかを決めておきます。
そして、目的に合わせて、いつまでにどれくらい資産を増やしたいのか目標を定めます。
目標の年数や金額(数値)が決まれば、数10年にわたって段階的に計画を立てることが可能です。
資産運用は、具体的な目標を決めてから始めることが大切です。

投資可能額と家計の収支を把握

投資の鉄則は、投資可能額と家計の収支を把握し、余剰金額で行うことです。
資産運用で投資に使う部分が多すぎると、予期しないトラブルが発生した際、生活を脅かすことになります。
そうならないように、事前に投資に使える余剰金額を知るため、家計の収支を把握する必要があるのです。
余剰資金は、現在の預貯金から6ヶ月分の手取り月収を差し引いた額です。
また、病気やけがのリスクがある場合は、1~3ヶ月程度増やして、生活資金を守りましょう。

金融リテラシーをつける

資産運用を始めるなら、自分自身の金融リテラシーをつけておきましょう。
専門家に相談して全て任せるのも良いですが、ある程度理解していなければ、専門家のアドバイスを理解できません。
理解できないまま投資を行った場合、トラブルに発展することや、運用に失敗するリスクが高くなります。
専門家のような知識は不要ですが、金融商品の特徴やメリット、リスクなどは最低限把握できるようにしましょう。

まとめ

金融機関の違いや、日本の銀行で投資を決めたらダメな理由をご紹介しました。
銀行は資産管理がしやすく、投資商品も手軽に購入できます。
しかし、資産全体を考慮した商品なのか、手数料は適正価格か、ということを慎重に比較検討する必要があります。
手数料が安いネット証券に抵抗があるなら、銀行と証券会社を比べてより良い商品を選択しましょう。