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仮想通貨、実態のないものを信じない日本人の心理

仮想通貨というものが話題になっていますが、”仮想”と名が付くこともありお金としての実態は不
透明なイメージがあるかもしれません。
ではなぜ、日本人は仮想通貨のような実態のないものを信じないのでしょうか。
今回は、その理由と実際の日本人の仮想通貨の保有率について、見ていきたいと思います。
大見出し:日本人はなぜ実態のないものを信じない?
まずは、どうして日本人は実態のないものを信じないのかについて、迫ってみましょう。
それは、日本人ならではの感覚が理由となっているのかもしれません。
中見出し:日本人の国民性が原因?
仮想通貨は、2017年後半辺りから価格が高騰したこともあり、メディアなどからも注目されました。
認知度も高まり、関心を示している人も増加傾向にあるでしょう。
それでも、日本人は保守的な国民性があることもあり、なかなか新たな冒険がしにくいという点も
理由かもしれません。
良く分からないような仕組みに関わることに臆病になっている人もいると考えられます。
中見出し:実際にお金が見えないと不安
仮想通貨は実際のお金を用いて取引を行うものではないでしょう。
インターネット上の通貨となり、電子マネーのような役割をすることもあります。
電子データだけでのやり取りとなることから、自分のお金が本当に動いているのだろうかと不安に
思う人もいるかもしれません。
やはり、目に見えてこそ安心できるものもあるのです。
中見出し:仮想通貨で騙されるという噂があるから
噂で、仮想通貨で騙されてしまうという話を聞いてしまうことがあるかもしれません。
実際に、仮想通貨での詐欺も増加しているので注意は必要です。
例えば、値上がりあるいは儲けがほぼ期待できないような仮想通貨を高値で買わされてしまう事
例があります。
それに、ただ仮想通貨を名目にしてお金を騙し取られてしまう被害も起きているでしょう。
こうした話があることから、仮想通貨は信じられないという日本人もいるものと考えられます。
大見出し:実は日本人の仮想通貨保有率は高い?
仮想通貨に手を出せていないと思われる日本人ですが、実際には仮想通貨の保有率は高いので
しょうか。
それともあまり保有している人はいないのでしょうか。
日本人の仮想通貨保有率について見ていきましょう。
中見出し:調査対象国で一番保有率が高い
ドイツのベルリンにある『Dalia Research(ダリア・リサーチ)』というグローバルデータリサーチ会社
が、仮想通貨の市場の大きな8か国の2万9,000人を対象として、ネットを通じ調査した結果を2018
年5月に発表しました。
この調査結果によると、日本人の仮想通貨保有率は調査対象となっている国の平均が7%である
のに対し、日本の仮想通貨保有率は11%であり最も高くなっていることが明らかとなっています。
仮想通貨の認知度についても、83%と高く理解度も61%です。
中見出し:アメリカやイギリスをも上回る
調査対象となった国は、日本以外にはアメリカやイギリス、デンマーク、インド、中国、韓国となっ
ています。
大国であるアメリカ人や資金運用に敏感なイギリス人をも凌ぐ数の日本人が、仮想通貨を保有し
ているのです。
日本人は実態のないものを信じない傾向にあると思われがちですが、実は仮想通貨を既に保有
している人は、各国と比べても多いのです。
中見出し:マイニングが盛んな中国は3%
中国ではマイニング(新たなブロックを生み出して、その報酬として仮想通貨を入手する方法)が盛
んとされてきました。
その中国においては、調査対象国でも最下位となる3%しか保有率がありません。
中国は2017年の初め頃までは他国よりも流通量が多く、仮想通貨へも盛んな投資意欲のある国

だったのです。
ところが、中国政府が仮想通貨を統制したことにより、仮想通貨の取引所が閉鎖されていってしま
いました。
加えて中国の投資家は、中央銀行の指導により仮想通貨への投資について国をあげて半強制的
に抑え込んだのです。
大見出し:投資を検討している日本人は少ない
仮想通貨を行っている日本人の割合が多いことは分かりましたが、ではこれから仮想通貨で投資
をしてみようかと検討している日本人は多いのでしょうか。
次に、仮想通貨を購入することを考えている人の割合について、見てみたいと思います。
中見出し:検討中はインドが最多
これから先半年以内で、仮想通貨に投資をすることを検討している人は、6%という割合でインド
が最多となっています。
続いては、アメリカやイギリス、ブラジルが同率の5%です。
アメリカなども仮想通貨の購入を検討している人が多いですが、新興国であるインドが最も多くな
っていて、仮想通貨に期待をしていることが分かるでしょう。
中見出し:検討中の日本人は3%に留まる
一方の日本人はというと、仮想通貨への投資を検討している人の割合は3%のみに留まっていま
す。
金融商品や新たなテクノロジーに対して敏感に反応をした若い人たちが仮想通貨を購入する動き
が、ストップしていることも考えられるでしょう。
落ち着いている状態であり、新たに参入しようとする人が少なくなっていることも理由かもしれませ
ん。
中見出し:市場が上向くなどすれば増加の可能性あり?
こうした結果を見てみると、日本などよりも仮想通貨に関心がなく投資をしている人も少ない国で
あっても、市場の動向次第では新規ユーザーも増加していくことが考えられるでしょう。
また、日本人があまり仮想通貨への投資を検討していないという結果については、市場が上向く
などといったきっかけにより、若い人たちを中心として仮想通貨への参入が増加する可能性も秘
めています。
大見出し:投資家の中ではどの程度?
日本人の個人投資家の中での、仮想通貨への投資をしたことのある人の割合が、2019年12月の
調査で過去最高となりました。
アネックス証券の行った調査で判明したものであり、仮想通貨への投資経験の有無を投資家に聞
いたところ、13.1%の人があると答えたのです。
2018年12月の調査では11.5%だったため、1.6ポイント増加していて調査を始めた2017年以来過
去最高となりました。
このように、投資家の中でも仮想通貨への投資をしたことのある人が多くなっているのです。
まとめ
日本人は国民性などもあり、仮想通貨のような実態のないものには手を出さないのかと思われる
かもしれません。
しかし、各国を見てみても日本人の仮想通貨保有率は高くなっているのです。
今後、仮想通貨への投資を検討しているという日本人は多くはないですが、市場の動向により、
増加していく可能性もあります。