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他国の銀行に預けるだけで利回りがいい理由

他国の銀行にお金を預けると、それだけで利回りが良いといわれることがあります。
利回りとは、投資をした額に対して、年間でどれくらい収益につながるかを計算した割合のことです。


今回は、この利回りが他国の銀行に預けるだけで良くなる理由について、見ていきたいと思います。


他国の銀行に預ける理由とは?

日本の銀行に預けるのが安心だと思う人もいるでしょう。
ではなぜ、わざわざ他国の銀行にお金を預けるのでしょうか。
その理由について、ご説明します。


日本の銀行の金利は低い

日本の銀行は、超低金利時代が長引いています。
国内の銀行に、金利を目当てにして預金をしている人は珍しいかもしれません。
ネット銀行はいくらか金利が高いとされていますが、高い場合でも0.1%の金利しかありません。


金利が低い理由として、銀行に預けてお金を使わなくなるより、お金を使ってもらうために敢えて金利を低くするという狙いもあるでしょう。


海外は国の信用が低いから金利が高い

現在成長している最中の発展途上国の銀行に預けた場合、金利が高い傾向にあります。
理由の1つとして、その国の信用が低いことが挙げられます。
信用が低いので、金利を高くしなければ皆がお金を預けてくれないでしょう。
信用度合いによって、金利の割合は変わってくるのです。


東南アジア諸国の金利

東南アジアでは、どの程度の金利となっているのでしょうか。
投資をする場合にリスクが低いとされる、東南アジア諸国の金利について見ていきましょう。


シンガポール

シンガポールでは、2.5%という長期金利です。
以前から貿易や交通の要衝として栄え、戦後には金融も交えて発展を続けてきました。
それもあり、東南アジアの中で先進国になっている唯一の国でもあります。


投資信託においても、ローリスク・ミドルリターンという良好なパフォーマンスを誇る商品展開もあるものの、金利は日本よりも高いですが他の東南アジアの国々と比較すると、それほど高いわけではないでしょう。


タイ

タイの長期金利は2.81%となっています。
タイはアジア金融危機から、製造業のベースとして飛躍的な発展を遂げてきました。
首都のバンコクには高層ビルが立ち並んでおり、東南アジアの中でも発展しているといえるでしょう。


長期金利は、シンガポールとあまり変わりませんが、タイの近年の経済成長がどの程度の度合いなのか、タイの通貨であるバーツの価値の上昇を鑑みれば、他の国と比べてタイの金利の低さは納得できると考えられます。


ベトナム

ベトナムの場合は、長期金利は5.1%なのでシンガポールやタイに比べると高めです。
ベトナムは近年、アジアの中でも急成長していると注目されています。
6%や7%の金利だった頃もあったとされているので、その頃よりは落ち着いているでしょう。


東南アジア諸国と比べてみても、高い水準の金利がキープされています。
他のASEAN諸国と比べてベトナムのリスクとなるのが、一党独裁体制の社会主義国である点です。
政策としてもベトナム人の利益を保護することに重きを置きがちであり、東南アジアに投資をしようと考えている投資家は、預金や不動産に対してもリスクがあると判断する場合もあります。


フィリピン

フィリピンは6.42%という長期金利となっています。
アジアで中国やベトナムに次いで、経済成長率が高い国です。

ですが、フィリピンは通貨のペソが下落し、経済成長という観点からするとマイナスポイントに思われるかもしれません。
しかし、アウトソーシング業などが盛んに行われているフィリピンでは、ペソが安いということは有利になります。


なぜなら、アウトソーシングはドルが中心の外貨で契約されることから、ペソに換金されると外貨で支払われる方が売り上げが増加するからです。


他国の銀行にお金を預けるメリット

日本以外の銀行にお金を預けるとしたら、不安もあるかもしれません。
しかし、他国の銀行に預けることにはメリットがあります。
さて、そのメリットとは一体何なのでしょうか。


日本が財政破綻してもリスク回避可能

最近では、ギリシャなど財政破綻してしまう国も出てきています。
自国である日本とは関係がないだろうと思っている人もいるでしょう。
ところが、日本も財政破綻をしてしまう可能性はないわけではありません。


日本の国債の総額は、1,000兆円を超えているとされています。
よって、他国に銀行口座を作り、資産を一部であっても預けておけば、リスクを回避できる可能性があります。


大きな為替差益を得られる

他国の銀行の口座を持っていることは、使い道次第で色々と利点があります。
為替の動きにより利益を得る、為替差益を活用することもできるでしょう。
それでも、相場の予想を外してしまうと損をするリスクがあることも忘れてはいけません。


こうした面で、リスクがありながらも利益を追求したい人にはおすすめです。


ジョイント口座がある

他国の銀行に口座があると、夫婦で名義が共同になっている口座を作ることが可能です。
他国と比べると珍しく、日本では夫婦間であっても相続税や贈与税がかかります。


夫婦間では、相続税などは課税されない国が多いことから、共同名義であっても税務としては問題がないとされ、ジョイント口座があるのが通常でしょう。
ところが日本人がジョイント口座を活用しようとすれば、税務当局より贈与の指摘を受けることが考えられます。


まとめ

日本だと金利が低いため、他国の銀行に預けることで得をすることができます。
また、アジアはアフリカよりもリスクが低いという利点があります。
シンガポールやタイなどの東南アジアを見てみると、日本よりも銀行にお金を預けた時の金利が高いです。


フィリピンの場合は、長期金利が6.42%であり、日本と比較しても高い金利となっています。
他国の銀行にお金を預ける利点として、日本がもし財政破綻をしてしまっても、リスク回避できるなどが挙げられるため、今後の日本に不安がある人は他国の銀行に預けることを検討すると良いかもしれません。