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日本に投資という授業を

日本の学校では、経済学の授業は行われていても投資の授業は少ないかもしれません。
昨今では、模擬的に株を購入するような授業が行われる事例があるものの、しっかりと投資について学ぶ機会はあまりないと考えられます。
しかし、日本には投資の授業が必要なのです。


今回は「日本に投資という授業を」というテーマでご紹介していきます。


なぜ日本はお金の授業をしないのか

まず、どうして日本ではカリキュラムにお金についての授業が組まれていないのかを見ていきたいと思います。


お金儲けは悪いという概念

世界的に見ても、日本人には”お金儲けは悪いことである”という概念を持っている人が多いとされています。


日本には贅沢をすることなく清く正しい生き方をするというのが、根づいていることも理由かもしれません。
こうした点は、世界にも誇れる日本人の国民性あるいは文化であるといえるでしょう。


国の方針?

日本人が投資だけでなくお金の勉強自体をしないのは、国がその様な方針であるからです。


貯金は安全であり、投資などは危険であるというイメージを与えているということも考えられます。
また、投資あるいは資産運用は危険であると信じ込ませ、勉強をしないようにさせるというのです。


国力というのはお金があればより強くなりますし、他国にお金が渡ってしまうことを国は嫌がることから、国民にお金についての知識をあまり持って欲しくないのかもしれません。


お金・借金・保険について


投資を学ぶ前に、まずはお金や借金、保険とは何であるかについて、知っておく必要があります。
何となく漠然としたイメージは持っていても、説明するのは難しいという人もいるかもしれません。


ここでは、お金や借金、そして保険に関して迫ってみましょう。


お金の計画を立てる

お金は計画性をもって利用することが大事でしょう。
例えば、生きていく中で必要になるお金にまつわる事柄に関して挙げてみて、どの様に使っていくかなどについて具体的に考えてみるのです。
計画を立てる際には、紙に書くようにすると自分に必要なこともはっきりと見えてくるでしょう。


また、計画は一度決めてしまえばそれで良いというわけではなく、長く続く過程となっています。
お金について人一倍考え、上手にやりくりしていくことで、自身にマッチした計画が見つかるのです。


借金について知る

借金にも色々あり、消費者金融やクレジットカードの利用、住宅ローンを組むこと、奨学金を利用して通学することなどが該当します。


昔に比べて、消費者金融の利用などは借りやすさの点でハードルが低くなっているかもしれません。
しかし、借りやすくなったからといっても安易に利用することも注意が必要です。
借金をする目的は何なのか、どういった条件で借りるのかということも、”お金の計画”に含まれるでしょう。


保険について把握する

もしもの時に備えて、保険に入っている人も多いと思います。
保険にも火災保険や医療保険、生命保険など色々な種類があるものです。
もし投資をするのであれば、その前に保険についても把握しておく必要があるでしょう。


保険を把握できていれば、万が一の時にも安心できますし、将来を考える上でも大事なことです。
今一度、保険についても目を向けてみてください。


自分の資産を把握する

投資をする場合、自分にどの程度の資産があるのか知っておかなければ開始することはできないでしょう。


まずは、自分の資産を把握することから始めるのが得策です。
では、資産の把握にはどういったことをすれば良いのでしょうか。


個人のバランスシートを作る

あなた個人のバランスシートを作ることで、資産の把握が可能です。
バランスシート(貸借対照表)は企業が作成しているものですが、個人の資産管理に応用すれば、今の財産状態が正しく把握できます。


簡単な作り方としては、1枚の紙を用意して中心に縦の線を引いてください。
左側にあなたが所有する資産を全て書き出し、その価格や総計を記載します。


そして、右側には借りているものを全て書き総計を書きましょう。
それから、紙の一番下には資産の総計より負債(借りているもの)の総計を引くと、あなたの『純資産』が把握できるのです。


将来的には純資産も増える可能性がある

10代という若い人なら、所持品や借りているものも少ないと考えられるため、バランスシートも複雑にはならないかもしれません。


それでも、年齢が上がっていくにつれて資産状況も複雑になっていき、持ちものや借りているものも増えていくでしょう。


例えば20代からは、社会人になるため純資産が増える可能性も高いでしょう。
投資を考える際は定期的に純資産の計算を行い、資産状況を把握することが大切です。


投資に関する授業は本当にないの?

今の日本の学校では投資についての授業がないとされていますが、本当に投資の授業はないのでしょうか。
その現状について、見ていきたいと思います。


私立中・高ではお金の授業が増加


現在、株や投資の授業は必須ではないとされていますが、教育庁側は投資の授業導入について意欲的です。


授業日数確保などの問題もあり、株式や投資の授業は実現が簡単ではありませんが、一部の公立校や私立の中学校や高校では、お金の授業が増加傾向にあるのです。


株などのプロが授業

授業は株や投資などの資産運用のプロが行っています。
これは学校側が大手証券会社の指導部や証券取引所の教育部といった部門にあらかじめ申し込むことで実現しています。


そして、受講の対象となる人数や何年生が対象なのか、学校側で用意すべきものについて、打ち合わせが行われるでしょう。


私立学校で導入されてきているICT教育(タブレット端末等を用いた教育)においては、指導日が決定すれば、前もって生徒たちの端末に必要なアプリをインストールといった方式もとられています。


指導の仕方は?

ここでは、過去に証券取引所が行った授業を例に挙げましょう。
まずは5人から6人で1つのグループを形成します。


その後、指導者の方が株式についての説明および投資についての説明が行われます。


続いて、グループの中で株式会社の社長や投資家、証券会社側と役割を決めて、カード形式で株のやり取りを行うのです。
役割の決定後、ロールプレイングゲームを行います。
実際に株取引を体感できるゲームであり、株の運用について学ぶことが可能です。


まとめ

日本でお金の授業が行われないのは、お金儲けの話を避ける国民性や、国の方針であることが考えられます。


また、投資を始めたい場合は、お金について学ぶことが大切です。
借金とはどういったことなのか、保険の役割などについて勉強しておく必要があるでしょう。


現在日本では、お金の授業が行われている例もあり、私立学校では株のプロなどによる授業が取り入れられています。
将来を考えた資産運用を行うためには、日本に投資という授業が必要なのです。

最後までご覧頂きありがとうございました。